年間ベストアルバム2023(ノイズミュージックのみ)
2023年の良かったノイズミュージック
昨年もよいノイズミュージックがたくさんリリースされました。
これも聞いたほうが良いというアルバムがあったら是非コメントください!
日本からも比較的容易に購入可能なリンクも貼ってあります。
思いついた順に載せています。思い出したら追記していきます。
アルバム名 / アーティスト名
S/T / CuteWhenDead
CuteWhenDead / CuteWhenDead Ⅱ
label:self release
限りなくハーシュノイズに近いノイズグラインド。7曲2:27の1st、ちょっとメタルコアな面も垣間見えるCuteWhenDead Ⅱどちらも最高だった。
Unreleased Material 92-93 / Macronympha
label:advaita records
マクロニンファの発掘音源
発売に漕ぎつけたAdvaita Recordsには感謝してもしきれない
tobira records(Macronympha // Unreleased Material 92-93 TAPE – Tobira Records)ではまだカセットテープで購入可能
Oxen Man's Uneasiness / インキャパシタンツ
label:OXEN
New Agenda / Cov Ops
label:Freak Animal
フィンランドのミュージシャンをメインでリリースしているノイズレーベル、Freak Animalから出た(おそらく)フィンランド以外のノイズユニットCov Opsの 1stアルバム。
これぞまさにインダストリアル・ノイズというようなアルバム。最高。
Hamper / Worth
label:AUSSAAT
AUSSAATからのリリース
Kazuma Kubotaのアンビエント部分が低音のノイズに置き換わったようなタイプのカットアップハーシュノイズ
Voyeur Seeks / SADIO
label:Freak Animal
GruntとSkin Graftによるユニット
初期インダストリアルノイズを彷彿とさせるループトラックの上にフランジャーがかかったボイスが乗るタイプのパワーエレクトロニクス。
Surga rata-rata / 角矢胡桃
label: Gerpfast Record
UNATAMITLE / ∈Y∋
同名の個展でZinと共に販売されたアルバム
採掘作業音、採掘作業歌
HEAVEN / UNCIVILIZED GIRLS MEMORY
label: [...]dotsmark
UNCIVILIZED GIRLS MEMORY - HEAVENculture.dotsmark.com
A Treatise On Ethnography / Brume
label: Ferns recordings
Brume // A Treatise On Ethnography CDtobirarecords.com
エレクトロニクス、自作楽器やフィールドレコーディングした音をコラージュして作曲するBrumeのアルバム。ハーシュではないです。
Like a Mirage or a Dream / Decondition
label:Freak Animal
ゆったりめな重低音ノイズのビートにうめき声のようなボイスがとても良い塩梅で重なり、格好良くもとても心地が良いアルバム。
20 Years And Still L.White / V.A.
label:L.White
00年代ハーシュノイズシーンを牽引したレーベル、L.White20周年を記念した4枚組コンピレーションアルバム。参加者がメジャー/マイナー問わずとても豪華で良い。2000年以降のノイズミュージックの入門編みたいな聴き方もできそう(M.Bとかも入っていますが)。
それぞれのトラックは良いのだけど、もうちょっと聴きたい、ここからだろというトラックもいくつかあってそういう惜しさがあった。
Capturing The Wind, A Japanese Noise Compilation / V.A
label:Dada Drumming
カットアップハーシュからインダストリアル~オルタナロック等をリリースしているDada Drimmingの日本で活動するノイズミュージシャンコンピ。
やはりカットアップハーシュノイズが多い印象。
Kazuma Kubota, Scumのトラックがめちゃくちゃよかった...!!!
THE REMAINS OF WASTED WORLD / V.A
label:CRESTON CLUB
P.O.V., S_B_Bによる新興ノイズレーベル、CRESTON CLUBのコンピレーション
うるさくてとても良いです。
再発もの
Split / T.E.F. & Schating
label:Dada Drumming
私が一番好きなノイズミュージシャンT.E.F.と、近年めちゃくちゃ格好いいカットアップハーシュを出しているSchatingとのスプリットアルバム。
双方10分のトラックがボーナストラックとして新録。この2トラックが最高で、2023年に私が聴いたノイズで一番良かった。
Dada Drimmingはサブスクにもありますが、T.E.F.関連のアルバムはリリースから1か月くらいで消しているようで、フィジカルで買っとくのがおすすめ。
(T.E.F.にリミックスしてもらった私がやっているユニットのアルバムも売ってるのでよかったら聴いたり買ったりしてください。DSM-XXX : cure N [CD [BCO-002]] : ノイズミュージック、実験音楽、現代音楽、サウンドアート、電子音楽、即興、インプロ、フリージャズ、アバンギャルド パララックス・レコード - オンラインショップ (parallaxrecords.jp))
Ramraiding Three Abyss / Gray Wolves, Survival Instinct, Wertham
label:Old Europa Cafe
diskunion.netGray Wolves, Survival Instinct, Werthamのコラボレーショントラックと各々のソロが入った3 way splitアルバム。
3ユニットとも個人的な好みとしては当たり外れが大きいが、本作は数トラック除いて良かった。
Dyslexic Action / Drug Age
label:Input Error Records
Drug Age // Dyslexic Action 2xCDtobirarecords.com
2013年にカセットテープ4本組ボックスとしてリリースされたアルバムの2枚組CD再発盤
発振しているエフェクターに繋いだコンタクトマイクと金属をひたすら叩きつけるタイプのハーシュノイズ。最高。
Mutative Forecast / Perfected Grave Vault
label:OXEN
死体カセットで激推しされてたので購入。
最高でした。まだ買えるみたいなのでぜひ!
ノイズはよいものですね。
良かったノイズミュージックメモ2023年2月、3月
個人用のメモ目的の記事です。
2月
Macronympha - Unreleased Material 92-93
マクロニンファの発掘音源
発売に漕ぎつけたAdvaita Recordsには感謝してもしきれない、年間ベスト級の音源
こだわり抜かれたカセットテープは限定150本なので早めに入手した方がいいと思います。
パララックスとTobiraRecordsにはまだあるようです。
Macronympha // Unreleased Material 92-93 TAPEtobirarecords.com
EXIT ELECTRONICS - Learn The Hard Way (extended edit . )
JK Fleshの別名義の1stアルバム
JK Fleshよりうるさくてとても良いです。
まさに“テクノイズ”というサウンド
3月
Worth - Hamper
AUSSAATからのリリース
Kazuma Kubotaのアンビエント部分が低音のノイズに置き換わったようなタイプのカットアップハーシュノイズ
買ってからほぼ毎日再生しています。
AUSSAATは新宿のNEdSレコードにリクエストを出すと入荷してくれると思います。
Drug Age – Dyslexic Action
2013年にカセットテープ4本組ボックスとしてリリースされたアルバムの2枚組CD再発盤
発振しているエフェクターに繋いだコンタクトマイクと金属をひたすら叩きつけるタイプのハーシュノイズ。最高。
Bandcampページもありますが、試聴用に1トラック上げているだけのようなので気に入った方は早めにフィジカルで買った方がいいと思います。
TobiraRecordsで買えます。
https://en.tobirarecords.com/products/drug-age-dyslexic-action-2xcd
V.A. - 20 Years And Still L.White
00年代ハーシュノイズシーンを牽引したレーベル、L.White20周年を記念した4枚組コンピレーションアルバム。参加者がメジャー/マイナー問わずとても豪華で良い。2000年以降のノイズミュージックの入門編みたいな聴き方もできそう(M.Bとかも入っていますが)。
それぞれのトラックは良いのだけど、もうちょっと聴きたい、ここからだろというトラックもいくつかあってそういう惜しさがあった。
↓ラスト一枚のようなのでお早めに
Massey Fergusson - The Mechanical Testament
EBOLA DISCOとBROWNING MUMMERYによるコラボレーションユニット
EBOLA DISCOの様なインダストリアルノイズを期待して買いましたがダークアンビエントよりのインダストリアルでした。スタジオに入ってやったセッションの記録音源っぽさを感じてしまい、内容は良いんだけどもっと良くできたのでは...と思ってしまう
https://diskunion.net/avant/ct/detail/1008610987
旧譜
Spleencoffin Presents: Ladys In Noyz
ボルチモアのエクスペリメンタルミュージックレーベルSpleencoffinのCD3枚組のコンピレーションアルバム。2008年リリース。
インディーロック、New Wave〜ハーシュノイズの女性アーティスト、メンバーに女性がいるバンドを収録
OxenのLeah Peahのトラックが白眉
Lacrima - Candy
Opal Tapesからのリリース。複数のディスクユニオンで未開封中古として出ていてデザインから気になって購入したアルバム。
自動車のスクラップ工場をひっくり返したようなカットアップハーシュノイズでした。
最高~
良かったノイズミュージックメモ2023年1月
自分用のメモがてらの記事です。
DAS LEBACHER ORGELWERK - WEIHNACHTSORATORIUM (LWV 156)/Daniel Löwenbrück, Fabian Löwenbrück
label:KRIMS KRAM
2006年に教会で行われたオルガンコンサートの録音。ドローン演奏もあるが、インダストリアルノイズで使われるような工具のモーター的な音もオルガンで出している。
オルガンのドローンミュージックといえばKali MaloneやFUJI|||||||||||TAなどがパッと思いつくが両者とは全然違ったアプローチ、むしろこちらの方が正統派なところがある分面白みがあるかも。
日本のお店ではディスクユニオンで取り扱いがあるようです。
Oxen Man's Uneasiness / インキャパシタンツ
label:OXEN
2022年のスタジオ録音アルバム。1トラック15分前後で4トラック収録。
各トラック微妙にアプローチが異なっていて聴きやすい。そして(自分が知っている限りの)今までのインキャパシタンツのサウンドとはちょっと趣が異なるアルバム。
インキャパシタンツなのでラップトップは使っていないと思うけど、音はタイムストレッチで引き伸ばしたようなDTMを使った感じの音がするトラックもあり、好き嫌いは分かれそう(私は好き)。
青いジャケットもHarshnoiseレーベルを彷彿とさせてとても良いですね。
レーベルのオンラインショップではすでに売り切れ。
今のところ日本では新宿のNEdSレコードにしか入荷していない様子。
再発関連だとIndustrial RecollectionsのBlack Leather JesusとGruntがとてもよかった。
年間ベストアルバム2022(ノイズミュージック中心)
2022 良かったノイズ(思いついた順)
各アルバム試聴や購入できるリンクが貼ってあります。
アルバムタイトル / アーティスト名 /レーベル名
①Split / Scathing, Parasite Nurse / hostile 1 tapes
テキサスのカットアップハーシュノイズScathingとニューヨークで数年前から活動を始めたParasite Nurseのスプリット
Scathingが素晴らしいのは言わずもがな、Parasite Nurseのトラックが高周波音がきつかった時代のwhitehouseのような音作りで白目むきそうになった。最高。
Parasite Nurseは他のリリースではアンビエント/ドローントラックも作っているのでぜひ聴いてみてください。bandcampで聴けます。
②Necessary Downfall / scum, Unsustainable Social Condition
今や日本のカットアップハーシュノイズを代表するアーティストの1人になったscumとロサンゼルスのノイズレーベルOXENを運営するUnsustainable Social Conditionのスプリットアルバム
scumの一曲目Radio Free Asiaがもう最高なので全員聴いて欲しい。2022年12月の段階でCDのみのリリース。
③It Came From the Shore / INLET TERROR / mechanical presence records
New Grasping MachinaのLuk Henderiksを中心にしたノイズコレクティブINLET TERRORのハーシュノイズセッションを元にしたアルバム。最高。
メタルジャンクっぽい音にもなったりエレクトロニクス系のハーシュになったり、ボイスも入ったり、展開あるハーシュノイズでとても格好いいと思います。
mechanicalpresencerecords.bandcamp.com
④PURE VOLTAGE / Dave Skipper / self release
東京在住のモジュラーシンセを使ったノイズミュージシャンのライブ音源集。残念ながらまだ生で聴いたことがなく、早くイベント等いけるようになりたい。
⑤Club Catharsis / Kovana / Freak Animal
明確にVoとビートが入っているタイプのノイズ。ベラルーシのAmbassador21よりノイズ寄り。
⑥The Final Decisive Moment / KNURL / OXEN
金属が擦れる音を多用していて不快感が凄いメタルジャンクトラックと清く正しいハーシュノイズトラックで構成されるアルバム。
2022年のOXENのリリースはどれも良かった。
⑦Scathing / Scathing / Self release
2019年リリースのカセットテープの再発
scathingidiopathic.bandcamp.com
⑧ From The Body To The Door / Dressing / OXEN
音圧過入力で潰れた軋んだ機械音のループ、変調で構成された渋いノイズミュージック。メタルジャンク系とは少々異なる趣きがいい塩梅でした。
⑨Hehku / GRUNT / Institute Of Paraphilia Studies
「気持ち悪い」タイプのハンドメイドジャケット作品
改めて聴くと、荒涼感がものすごく押し寄せてきてめっちゃ泣けるアルバムでした。
ノイズミュージックの良さってこれなんだろうな。diskunion.net
⑩SONEmgzn / V.A / […]dotsmark
ウェブジンSONEmgznの発刊記念ビデオコンテンツ。
Wolf Creek、BLACKPHONE666 | 黒電話666、scumの4アーティストのライブ動画
今の日本の東京のライブハウス/クラブで活動しているノイズミュージシャンを知りたい方は必見。ノイズミュージックの格好良さがよくわかるコンテンツだと思います。
⑪JUKE/19の再発
大竹伸朗がやっていたユニットのレコード再発
レコード用のマスタリング、ジャケットにもきちんとこだわって再発してくれた円盤&湯浅学氏、本当に感謝。
⑫Unio Solidarium / V.A / Old Captain
ジャケットが表す通りのアルバム
ポストインダストリアル、ネオフォーク、ダークアンビエント、パワエレ、ハーシュノイズ様々なAnti-Zノイズミュージシャンのコンピレーション。ウクライナからフィジカルが届いた時はブチ上がりました。
⑬cure N / DSM-XXX / Bipolar Creep Organization
自分がやってるノイズユニット・DSM-XXXの2ndアルバム
営業禁止下でのクラブでの録音。全編低音で割れてるタイプのハーシュノイズ。今作も実際に割ったAnti-CDと再生できるCDの2枚組。
1stアルバムはノイズミュージックの下位ジャンルを色々やってみましたが今作はハーシュノイズのみです。
Izumi Gould、T.E.F、GAMNNAD737、虹釜太郎、Wolf Creekのリミックスも収録。
同封されているbandcampのダウンロードコードを使うと別のミックスも聴けるようになっています。
DSM-XXX - cure N(CD+AntiCD w/DLcode)culture.dotsmark.com
⑭若い契り/ V.A. / CRESTON CLUB
日本在住の若手ノイズミュージシャンのコンピレーションアルバム。DSM-XXXは今までリリースした音源をカットアップハーシュノイズにしたリコンストラクトしたトラックで参加しました。
元々ファンだったP.O.V.氏や角矢胡桃氏と同じコンピに収録されて嬉しかった
https://crestonclub.bandcamp.com/album/-
⑮Haptic / Ladder of Shadows / 901 Editions
極上のアンビエントドローン。アートワーク含めて全てがいい。901 Editionsのリリースはどれも良いのでおすすめです。
Ladder of Shadows | Haptic | 901 Editions
2022良かったノイズ以外のリリース
Bakudi Scream
•Spaghetti Monomyth / Spaghetti Human Being
spaghettihumanbeing.bandcamp.com
・セキグチサトルがリリースした4枚のアルバム
3/ 麓健一
追記すると思います。
年間ベストアルバム2020(ノイズミュージック中心)+自分の今年の活動まとめ
今年よかったノイズミュージック(思いついた順)
①Flowers In Concrete/V.A.(CD版)
CD版(上記2枚のデジタルアルバムとは内容が若干異なる)
落合soupへのドネーションアルバム。
来日公演を落合soupで行った海外のノイズミュージシャンがディスク1、日本国内でしばしば落合soupでライブを行なっているノイズミュージシャンがディスク2にまとまっている。
公式の文章にも書かれているが、ハーシュノイズ、カットアップハーシュノイズ、ハーシュノイズウォール、インダストリアルノイズ、パワーエレクトロニクスなどノイズ下位ジャンル的にも多岐にわたる選出で、今のノイズミュージックが聴きたい人向きのコンピ盤としても最適。(2017年に16shot par secondからリリースされたノイズコンピ“GENZAI”も良い)
コロナ禍で様々なライブハウス/クラブを金銭的に支えるためのコンピレーションアルバムが作られたが、アルバムとしての完成度は構成、マスタリング、アートワーク等含め本作が最高なのではないか。
Maaaaが入っていないのがちょっと残念。
② Hell in the Blood/Skin Graft
低音で擦れるような高周波音がぶっ潰されてるイントロから徐々にメタルパーカッションが入ってくる展開が最高。
低音で程よく潰れてるハーシュノイズが現場で体験しても、音源で聴いても至高だと思ってる。
③ Whatever Exists In Creation Without My Knowledge Exists Without My Consent /God Is War
Deathbed tapesからのリリースもすこぶるよかったGod Is Warのアルバム(Bnadcamp上でname your priceだが同じレーベルから昨年リリースしたアルバムとセットにしてリミックスも追加されたCDが出たっぽい。)
宇宙っぽいジャケにありがちなシンセのリリースめっちゃ長くしたサウンドから始まって嫌な予感がしていたけどブレイクビーツっぽいビートが入ったと思ったらオーケストラっぽい音が入ったりしてきて最終的にめっちゃ格好いいミュージックコンクレートだったという落ちのトラックからはじまり、ビート感のあるシンセ系のカットアップハーシュになるアルバム。
④Bullet Ballet / Kisewa
韓国のインダストリアル/ノイズミュージシャンKisewa の1stアルバム。2曲目のガムランっぽい音に割れたキックが入っているトラックが自分が好きだったころのウイリアム・ベネットな音でとても良い。ジャケットの虚な目をして血塗れになってるKisewa本人の写真も最高。
ソウルにあるオルタナ系のクラブ・新都市に出てるらしい。めっちゃ見たい。
⑤Dakedokienai / Spore Spawn
静と動が綺麗に分かれる丁寧なカットアップハーシュノイズやLo-Fiなインダストリアルノイズ、純粋なハーシュノイズ(叫び声入り)などノイズの中の色々なジャンルの上質な楽曲が楽しめるアルバム。「静」を表すのに標識みたいなアンビエントサウンドを挟むカットアップハーシュノイズが私は大嫌いなのだけど、Spore Spawnのそれはまじで格好良いので買って聞いて欲しい。
⑥ residue / Nobuki Nishiyama
レコードで買いたくなるタイプのドローン。格好良さを感じるドローンを聴いたのは上野翔(OK?NO︎)のギター2台の圧迫面接みたいな演奏以来。
⑦Asphyxia Apotheose / Pissoir Rouge
低音、過入力でグジョグジョになったハーシュノイズと叫び声の1曲目からブチ上がる。BPM早めのノイズビートが入ったトラックや延々コンタクトマイクが入ってる中で何かしら叫んでるトラックも最高。来日して欲しい。
⑧Retrospektiv1 25 / T.E.F.
昨年から再び音源をリリースするようになったT.E.F.の未発表音源のコンピレーション。カットアップハーシュはもちろん、T.E.F.ではあまり出していなかったアンビエントやドローン、リズムマシンを使っているトラックなども入っていてT.E.F.好きな私にはかなり驚きがあったアルバム。
⑨onomatopée suicida/incapacitants
1曲目のめっちゃモッシュしたくなるタイプのハーシュ、2曲目のChillいハーシュ、3曲目のじわじわ展開していくハーシュどれも素晴らしくまた直ぐにでもライブ見たくなるアルバム
⑩Form Hunter/Form Hunter
②でも書いたような低音で他の音を程よく潰すタイプのハーシュノイズ。Form Hunterは高音域も過入力にしていてでかい音でスピーカーで聞くとたまに耳が痛いけど、それでも格好いい。ラスト一曲以外は5分前後なのも聴きやすくて良いです。
⑫Spiritual Eugenics/Grunt
ノイズミュージックのアルバムを作る時、おそらく難しいことの一つにアルバムとしてどうまとめるか、というトピックがあると思う。ハーシュノイズだけでやる~とか60分1トラックのハーシュノイズウォール~とかなら踏ん切りがついていていいのかもしれないけれど、私はリスナーとしてはよほどの出来じゃないと途中で聞くのをやめてしまうパターンが多い(60分聴くためだけに使える時間もあまり持てないのもあるけど)。
で、このGruntのCD2枚組のアルバムはパワーエレクトロニクス(power electronics; 叫び声とかだけじゃないボイスが入ったノイズミュージック)が主だけどもインストも入っていたり、パワーエレクトロニクスのバックトラックやボイスにかけるエフェクトがトラックごとに結構違っていたり、そしてなによりほぼ全曲良かったりということで、飽きずに通して何度も聴けた。(曲の間に全然毛色の違う曲を入れるアルバムはずっとありますが、Gruntはずば抜けてよかったです。どういうことを言っているのかわからないので本当に人に勧めていいのかどうかは不安ではあります。)
Grunt個人のBandcampでライブ音源や過去のアルバムが配信されているので気になった方はぜひ。
ノイズ以外(思いついた順)
①Figures/Aksak Maboul
aksakmaboul.bandcamp.com サブスクにもあります。
②unfollow the rules / Rufus Wainwright
③ Passport and Garcon/MOMENT JOON
④ 吸血時代/片岡フグリ
⑤5F 4F 32 00 80 C3 10 00 / nona.emanon.4
⑥Bleu&Vert/Blan(
⑦色彩音楽/World Standard
⑧箱庭のソドム(Mix CD)/Lil 涙
⑨Soi48クルーのMix CD
⑩EP + 7 songs & Hell / ゲタゲタ
⑪セレクテッド甘エビワークス/Ennnn
⑫私は月には行かないだろう/踊ってばかりの国
daitengが関わったリリース(リリース順。ほぼ全部最高だから聞いて)
① wrenched brain/DSM-XXX
daitengとnullのノイズユニット。元々ツインベースでノイズをやろうという事で始めたがお互い色々なものをつなぎたくなってベースはたまに使うだけになってしまった。
サーキットベンドディレイエフェクターで作られる腐食したビートをエレクトロニクスで叩き割ったり潰したりした音で作られたトラックが17曲入っています。
割れたCDをジャケットにしました。送料無料です。
② STAY OPEN〜潰れないで 不滅の試聴室に捧ぐ名曲集〜/V.A.
トラック提供
ライブハウス/イベントスペース・試聴室のドネーションアルバム。SUNDAY GIRLS/なりすレコードからのリリース。
姫乃たまさんからのお誘いでBBG48の曲をカバー/リミックスしたものの提出期限に間に合わずお蔵入りしていたトラックが収録されています。
あとこの曲、姫乃さんがインキャパシタンツの美川さんと共演した時に一緒に演奏していたようです。現場にいなかったのだけどその知らせを聞いた時はめっちゃ嬉しかった〜
ディスクマスタリングで音ってこんなに変わるもんなんですね。
上記リンクの楽曲提供者のBoothなどではまだ買えるっぽいです。
③ Downer game music sampling compilation [BLUE] /V.A.
架空インターネットラジオばり好いと〜よ!でお馴染みの奥床式が主催した鬱ゲーコンピ。
DSM-XXXで参加。ドラッグオンドラグーンをモチーフに新宿でフィールドレコーディングした音をオーバーレベルにオーバーレベルを重ねてEQいじってネイチャーハーシュノイズウォールにしたトラック。もちろん元ネタはドラッグオンドラグーンEエンディングのスタッフロール時に流れる街中のフィールドレコーディング音源。完全に自分たちで演奏したものではない、偶然の産物なので複雑な気分ですがめちゃくちゃ良い曲になったと思います。
自分らのあとどんな曲が入るんだろう、やっぱラストトラックかなと思っていたら全体の中間に入ってて不思議に思ったのだけど次のトラックが萌え萌えロリータ天使さんの延々一斗缶を金属バットで殴る様な曲だったので完璧な流れだった。アルバムとしても最高なので聞いて欲しい。HAIZAI AUDIOさんのトラック、今年1番良かった。
④ activities to be born again/ten thousand tapes
daitengが2018年の最初の方までやっていたカセットテープレーベル・ten thousand tapesの久々のリリース。
私はもう運営には関わっていないですが、レーベルを再始動させる際はこれを作って出して欲しいと交代したオーナーにお願いしていたテープです。
ten thousand tapesはマスターから同じ音が収録されている製品を作るのではなく、マスターから製品①を作り、製品①を製品②にダビングする、製品②を製品③にダビングする...という風に作っていくため製品一本一本に収録されている音が異なる(ダビングによって劣化するため)カセットテープを作り売っていました。各リリース20〜50本の限定で、一本一本に「○/20」みたいにナンバリングをしていたのでそれが何回目のダビングの音がわかったり、ダウンロードコードを一緒につけることで買った人は元の音を聴けたり、その気になれば自分が手に入れられなかったナンバーのカセットテープも作ることができるという仕様でした。
なんでこんな形態にしたのかというとレーベルを始めたいなと思っていた当初、レコードブームにあやかってか、Vaporwaveの流れからかカセットテープが何故かもてはやされるようになっていたことへの疑問や音楽のサブスクが日本でも市民権を獲はじめて音楽を所有するとは〜みたいなことを色々考えていたり、単純にレーベルをやる上で、いい音楽/いい音楽家をその新曲とともに紹介するみたいなディストロ的なもの止まりではなんか物足りないなぁ、CD-Rリリースではなんだかなぁ、レコードやプレスCDは金銭的に無理でやっぱカセットテープかなぁ、などなどを考えながらシチュアシオニストインターナショナルに関するゼミに潜っていたらなんか思いついたからです。ほんとね、目の前がピカッ! って光るくらいね、なんつうの? クスリやったときみたいに、音に光がついて、色がついて、左右対称で、まぶたの裏にピカッ! って飛び込んでくるぐらいのアイデア……もうほんとクスリやったときみたいにピカピカッ、ピカッ! っていうね。ピカピカッ、ピカッ! ピカピカッ、ピカッ! ピカピカッ、ピカピカッ! っていうね、アイデアがピカピカッ! って浮かびまして。
で、11作品のリリースが出来た後、色々あってレーベルを辞めることにし、最終リリースはドゥボールの紙やすりの実践を引用しつつ多少発展させ、周りのカセットはもちろんプレイヤーも全部無くなさないと“The Future Of Music The Subject”には達しないと思い、ジャケットの外側に紙やすり、内側にはイズーの“The evolution of the technical sensibility in poetry”の図を模した絵を、そしてカセットテープのテープ部分を紙やすりに変えたものとしました。
そんな(理念(妄想)上は)録音物としての音楽を終わらせたレーベルが再び活動し始めるならまず何をすべきか(何も無かったかのようにリリースすることは許されない。なんとなく紙やすりテープをリリースした訳ではないので。)と言ったら、「無」もしくは残骸(詩であるなら子音と母音、アルファベット間の音の連なりを失わせた後の音)から作品的な何かを生成しなくてはならないわけで、私の想像力では「何も録音されていないテープをten thousand tapesの方法でやっていくことで生まれる何か」を提示し販売することだろうという結論にいたりました。
やめたレーベルに口出すのはナンセンスの極みであることはわかっているけども、こればかりは譲れなかったのでお願いしたら爆笑してOKしてくれたのでありがたかったです。
そんなリリース。めっちゃ良いドローンが生まれました(上記リンク内のsoundcloudで聞けます)。
ten thousand tapesの今後のご多幸を祈念しております。(リリース興味ある人は気軽にデモを送ると良いと思います)
⑤ t’as éteins la radio?(ラジオ消した?)/V.A.
姫乃たまさんのラジオ番組の音声をサンプリングして作られた楽曲のコンピレーションアルバム。daitengが主宰している地獄でなぜサグいからのリリース。
姫乃さんがラジオ番組をはじめたことを知って真っ先に彼女の声をサンプリングしたくなって訊ねてみたら即OKが出たのでどうせならコンピにしようと思って企画したアルバム。トラックをツイッターで募ったり、興味ありそうな人を直接さそったりして完成しました。提出された曲を聞いたらなんだか小松左京の「影が重なる時」的な終末感があってこれはいいコンピレーションアルバムになったなぁと思いました。楽曲を提供してくださったみなさん、マスタリングまでしてくれた雷音舎さん、そしてダウンロードしたら聴けるボーナストラックとして声(サンプル)を収録してくださった姫乃さん、ありがとうございました。
元々自分が姫乃たまを知ったのは2012年にuplinkであったインディーズアイドル名鑑の発刊イベントで司会としてでていたことからで、その日は本当に司会だけで姫乃さんは歌わなかったのだけど妙に声に惹かれ、その後ライブイベントに行ってなんだかんだでこのリリースに繋がっていると思うと不思議なもんですね。
ten thousand tapesから出した姫乃さんの曲(代々木ステップウェイの最後の店長・踊ってばかりの国のベーシスト・谷山さんが書いた「グレーテルのその後」、なんちゃらアイドルのプロデューサー永岡さんが書いた「SF(少し不思議)」)も本当にリリースできて良かった〜
来年に期待してること
①epepeの復活(ソルマニアと同じイベント出て欲しい)
②Advokat Ihrer Hoheitの再発
③Scumの新譜
④佐藤あんこのアルバム
⑤Quarta330のアルバム
⑥自分ら主催でイベントを行う